改訂新版 世界大百科事典 「チョウマメ」の意味・わかりやすい解説
チョウマメ
butterfly pea
Critoria ternatea L.
マメ科のつる性植物。インドから東南アジア熱帯域に広く分布する。日本では主として観賞鉢物として栽培される。茎はつる状で細長く伸び,微毛があって,他物に巻きついて育つ。葉は卵形の小葉を5~7枚もつ奇数羽状複葉で,小托葉がある。夏から秋へかけて,長さ3cm前後の鮮やかな青色の蝶形花を単生し,旗弁に美しい模様が入る。花後,扁平な豆果をならせ,未熟のものは野菜として,ときに食用にされることもある。一般には一重咲きの青色花を観賞するが,白色花の品種や八重咲品種もある。日本へは嘉永年間(1848-54)に渡来したといわれ,明治時代にはパイプマメと呼ばれていたという。元来は多年草で,温室内では越年をするが,一般には春まき一年草として扱われ,アサガオと同様に栽培し,行灯仕立てにして観賞されることが多い。性質は強く栽培しやすい。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報