チョンジュ市(読み)チョンジュ(英語表記)Chǒnju

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョンジュ市」の意味・わかりやすい解説

チョンジュ(全州)〔市〕
チョンジュ
Chǒnju

韓国,チョルラプク (全羅北) 道の道庁所在地。 1949年市制。チョンジュ川にのぞむ盆地にあり,ソベク (小白) 山脈とホナム (湖南) 平野との漸移地点に発達した。早くから開け,百済では完山と呼ばれたが,新羅で全州となった。甄萱が建てた後百済では国都。李氏朝鮮で全羅道の監察使営がおかれ,米を中心とする農産物集散地でもあった。 14年開通したホナム鉄道からはずれたために停滞したが,36年チョルラ (全羅) 鉄道が通るようになり,71年ホナム高速道路の開通によって重要性を増した。パルボク (八福) 洞に繊維,食品,機械などの工業団地がある。農村部では稲作を中心に園芸酪農,リンゴ,モモの果樹作が盛んである。石炭,石灰石,大理石が採掘される。特産に韓紙,扇,傘などがある。瓦葺きの伝統的な家屋群が残り,太祖李成桂の本籍地であることから,李朝期の建造物が多い。代表的な韓国料理ビビンパブの発祥地。市内に寒碧楼,豊南門,慶基殿,郊外に金山寺,松広寺,南古山城などがある。面積 106km2。人口 51万 7104 (1990推計) 。

チョンジュ(清州)〔市〕
チョンジュ
Ch'ǒngju

韓国,チュンチョンプク (忠清北) 道の西部にある市。道庁所在地。 1949年市制。クム (錦) 江の支流ムシム (無心) 川の流れるチョンジュ盆地にあり,クム江流域の平野部と,ノリョン (蘆嶺) 山脈,ソベク (小白) 山脈との漸移地域に発達した。新羅時代に西原京がおかれ,高麗時代には清州牧となった。李氏朝鮮でも軍事,地方行政の要地で,08年チュンジュ (忠州) に代って道庁所在地となった。チュンブク (忠北) 鉄道が通り,西方にキョンブ (京釜) 高速道路のインターチェンジがある。農産物の集散や加工が行われる。 70年代に工業団地が造成され,繊維,機械,化学,食品などの工場が建設された。タバコの産出が多く,米,オオムギ,ジャガイモ,モモなども栽培される。弥勒七体仏のあるヨンファ (竜華) 寺,道立公園のファヤン (華陽) 洞などがある。面積 65km2。人口 49万 7429 (1990推計) 。

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