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…手工業はここで都市手工業として確立され,手工業者は自由な市民的身分を獲得する機会をつかんだ。彼らが,商人と並んで職種ごとのギルド(ドイツではツンフトと呼ばれる)に結集したのはそうしたことの雄弁な表現である。 ドイツでは蹄鉄,犂(すき),鍋(なべ),鎌,刃物,鋏(はさみ),釘(くぎ),鉄器具,匙(さじ)などの分野ごとに鍛冶職のツンフトが作られた。…
…一般的には中・近世ヨーロッパにおける商工業者の職種ごとの仲間団体をさすが,このような同職仲間的な団体は,広く前近代の日本,中国,イスラム社会,インドにもみられる。ドイツ語ではギルドGilde,ツンフトZunft,インヌングInnung,フランス語ではコンパニオナージュcompagnonnage,イタリア語ではアルテarteとよばれる。日本では,同職組合,同業組合と訳されている。…
…ヨーロッパ中世都市内部に形成された手工業者の同職組合,とくにドイツではツンフトとよばれることが多い。商人ギルドにかわって,多くは14世紀に,同じ職業の手工業者の親方がそれぞれ共同の利益を守るため,対外的には営業の独占,対内的には相互の平等を基本とした組合を結成したもの。…
…都市の手工業者身分は親方Meister,職人Geselle,徒弟Lehrlingの三つの階層(徒弟制度)に区分され,この三者を職人Handwerkerとして総称する。親方が構成する手工業組合(ギルド,とくに手工業者のギルドをツンフトとよぶ)は相互扶助を行う兄弟団として組織されていた反面で,親方は職人,徒弟に対して家父長的支配を行使していた。中世都市における手工業親方は市民権をもつ自由民であった点がそれ以前の修道院や宮廷の職人と異なるが,職人と徒弟は市民権がなく,親方の家に住込みで働くのが原則であった。…
…ヨーロッパにおいて手工業の職人Geselleが結成した組合。中世の都市内に成立した手工業職人Handwerkerのギルド(手工業ギルドはとくにツンフトと呼ばれる)においては,親方,職人,徒弟の3区分ができあがっていたが,14世紀初めには技術面では親方と同じ能力をもちながら親方株が少なかったために身分上は親方になれない職人段階の者の数が著しくふえていた。これらの職人は独身で親方の家に同居しており,したがって市民権もなく賃金や食事その他の点で親方に対して不満をもつ者が多かった。…
※「ツンフト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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