テナガコガネ(読み)てながこがね

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テナガコガネ」の意味・わかりやすい解説

テナガコガネ
てながこがね / 手長金亀子
[学] Cheirotonus macleayi

昆虫綱甲虫目コガネムシ科に属する昆虫。インドシナ半島、ヒマラヤ地方、中国大陸、台湾に分布し、主として山地にすむ。地域により数亜種に分けられるが、体長は変化が著しく4センチメートル余りから10センチメートルに近いものまである。体は頑丈で長め、前胸背部は鈍い銅緑色で大きく膨らみ、中央の縦溝と両側は粗い点刻があり、上ばねは黒くて黄褐色の小斑点(はんてん)が散在する。雄の前脚(あし)はきわめて長く、脛節(けいせつ)は弓状に曲がり、先端と中央内側に棘(とげ)がある。森林にすみ夜行性で灯火にくる。幼虫は朽ち木を食する。昆虫愛好家が珍重する一つである。

 近年、沖縄本島北部で発見され、話題となったヤンバルテナガコガネC. jambarは体長5、6センチメートルで、台湾の本種と似ているが、雄の上ばねの斑点が少なく、前脚脛節の先端の棘は先がやや鉤(かぎ)状になっていることで区別できる。幼虫は広葉樹大木の洞内に堆積(たいせき)した腐植土中で成育する。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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