ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディウフ」の意味・わかりやすい解説
ディウフ
Diouf, Abdou
セネガルの政治家。首相(在任 1970~81),大統領(在任 1981~2000)。セレル族の郵便配達人の子で,敬虔なイスラム教徒。当時の中心都市サンルイの著名校リセ・フェデルブで学び,ダカール大学に進学。1958年フランスのパリに留学し,ソルボンヌ大学で法学を修めた。1960年帰国,まもなく公職につき,知事や閣僚などを歴任した。1970年2月,首相に就任。以後 11年間首相を務め,レオポール・サンゴール大統領の辞任をうけて 1981年,憲法に従い大統領となった。大統領時代はほかのアフリカ諸国との協調を重視。1982年から 1989年まで存続したガンビアとのゆるやかな連邦,セネガンビアの設立を差配した。1983年,アフリカ統一機構 OAUの首脳会議で主導的な役割を果たし,さらに 1985~86年には OAU議長として穏健な姿勢ながら決然とした指導力を発揮,混乱に陥っていた OAUへの信頼を回復させ,国内での評価を高めた。1992~93年に再度 OAU議長を務め,西アフリカ諸国経済共同体 ECOWAS,イスラム会議などでも議長を務めた。1988年の選挙で大勝したものの,その後は国内経済の停滞やモーリタニアとの国境紛争,カザマンスの分離独立派との武力衝突により国情不安が続いた。2000年の選挙でセネガル民主党 PDSのアブドゥラエ・ワードに敗れた。
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