デオキシリボヌクレアーゼ

デジタル大辞泉 の解説

デオキシリボヌクレアーゼ(deoxyribonuclease)

デオキシリボ核酸DNA)を加水分解してヌクレオチドにする酵素総称DNアーゼ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 の解説

デオキシリボヌクレアーゼ
デオキシリボヌクレアーゼ
deoxyribonuclease

DNA分子鎖中のホスホジエステル結合の加水分解反応を触媒する酵素の総称.DNA鎖の内部からDNAを分解し,5′-ホスホモノエステル・オリゴヌクレオチドを産生するものに,ウシ膵臓からのデオキシリボヌクレアーゼⅠ(EC 3.1.21.1),連鎖状球菌のヌクレアーゼ,大腸菌エンドヌクレアーゼⅠ,酵母,アカパンカビおよび T2 感染菌デオキシリボヌクレアーゼなどがある.3′-ホスホモノエステル・オリゴヌクレオチドを産生するものとして,ウシの脾臓胸腺からのデオキシリボヌクレアーゼⅡ(EC 3.1.22.1)がある.DNAの末端からDNAを分解し,ヌクレオシド5′-リン酸を産生する大腸菌エキソヌクレアーゼⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,λファージ感染大腸菌K12からのエキソヌクレアーゼ,2本鎖DNAの1本鎖部分のみを分解するヌクレアーゼS1などがある.種々のDNA組換え実験や遺伝子の解析に用いられている.[CAS 9003-98-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

デオキシリボヌクレアーゼ
deoxyribonuclease

DNaseと略す。 DNAを加水分解する酵素。作用形式は DNA鎖のヌクレオチドを端から切り離していくエクソヌクレアーゼと,中間部分に作用するエンドヌクレアーゼに大別される。生物界に広く分布するが,精製材料としては胸腺,微生物蛇毒などが用いられる。酵素作用の測定法としては,DNA鎖が短くなったことを粘度低下によって測定したり,ヌクレオチドが生じてきたことを呈色反応透析などにより測定したりする。

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世界大百科事典(旧版)内のデオキシリボヌクレアーゼの言及

【核酸分解酵素】より

…核酸分解酵素の種類は合成酵素よりもはるかに多く,生命維持のために必要な,きわめて多様な役割を果たしている。 核酸分解酵素は,まず基質の種類(DNAかRNAか)によって大きくデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)とリボヌクレアーゼ(RNase)に分けられる。また,核酸の切断される位置の塩基配列に高い特異性のあるもの(制限酵素),反対にほとんどないもの,また核酸分子の末端から順々に切断を行うもの(エキソヌクレアーゼ),中間を切断するもの(エンドヌクレアーゼ),あるいはまた二本鎖の核酸を切断するもの,一本鎖を特異的に切断するものなど,その切断の様式はさまざまである。…

※「デオキシリボヌクレアーゼ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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