デリー連邦直轄地(読み)デリー(英語表記)Delhi

翻訳|Delhi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デリー連邦直轄地」の意味・わかりやすい解説

デリー〔連邦直轄地〕
デリー
Delhi

インド北部にある中央政府の直轄地。ガンジス川平原西奥部,ジャムナ川西岸に位置。デリー区,ニューデリー区,デリーカントンメントの3行政区に分かれており,デリー区は旧市街が中心であるため通称オールドデリーと呼ばれる。ニューデリー区には連邦政府の役所が集中し,インドの首都となっている。デリー (オールドデリー) は,前 15世紀から名を知られ,アーリア人のインド侵入期,ヒンドゥー王朝時代を通じて重視された。 13~16世紀にはデリー・サルタナットの首都となり,1648年ムガル帝国のシャー・ジャハーン帝が現存の市街中心部を建設してから最盛期を迎え,1911~31年イギリス領インドの首都。狭い市街地に稠密な人口を有し,商業が盛んで,細工物 (貴金属,宝石,象牙) を特産イスラム美術宝庫といわれ,レッド・フォート (デリー城) をはじめ,市内,郊外に多くの歴史的建造物,遺跡がある。ニューデリーは,1911年イギリス領インドがカルカッタからデリーに遷都したのに伴い,新都市の建設が計画され,1920年に着手,1931年に完成した新市街で,完成と同時にデリー (オールドデリー) から行政機関が移された。整然とした街路網,ゆったりした緑地帯,公園の中に立法,行政,司法機関などのビルが立ち並び,外国大使館,国際会議場,ホテルなども集中。政治中心地のみならず,国際外交の一中心となっている。デリー大学 (1922) ,ジャワハルラル・ネルー大学,各種研究機関がある。郊外には工業地区が建設され,綿紡績綿織物製粉,ゴム,皮革などの生産が盛ん。著名なイスラム建築,遺跡が多く残る。マハトマ・ガンジーの火葬場ラージガートがある。面積 1483km2。人口 2215万7000(2010)。

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