日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャムナ川」の意味・わかりやすい解説
ジャムナ川
じゃむながわ
Jamuna
インド北部のヒンドスタン平野を流れるガンジス川の支流。ヤムナYamuna川ともいう。ヒマラヤ山脈のバンダルパンチ山(6315メートル)西麓(せいろく)に源を発し、同山脈を横断して南流、カールシでトン川をあわせ、デラ・ドゥーン付近でヒンドスタン平野に出る。以後ガンジス川と並行して南東流し、デリー東部を通り、アグラのタージ・マハル寺院の裏を流れたあと東へ流路をかえる。さらにデカン高原から流れてきたチャンバル川、ベトワ川、ケン川などをあわせ、アラハバードでガンジス川に合流する。流域は、ジャムナ川とガンジス川との間に広がる幅100キロメートル前後のドアブとよばれる河間地域など豊かな農業地帯で、東ジャムナ用水路、西ジャムナ用水路、アグラ用水路など、灌漑(かんがい)用水路網がある。流域にはヒンドゥー教などの聖地も多い。
[成瀬敏郎]