改訂新版 世界大百科事典 の解説
トランス・アマゾン・ハイウェー
Trans-Amazonian Highway
ブラジルの大西洋岸からアマゾニア(アマゾン地域)の大森林を西に貫通する道路。アマゾン横断道路ともいう。全長5419km。ペルーの道路網と連結しており,太平洋岸に到達できる。巨大な未開地であるアマゾニアへの入植により,農業,畜産,鉱業(鉄,金,スズ,銅等)を興すことが政府の全国統合計画(1970)の主要課題であり,この道路建設もその一環である。大西洋岸のジョアン・ペソアとレシフェから国道230号,232号で西進してピコスで合流し,さらに230号によってエストレイトに達する。ここから先が新設道路で,1968年に着工し,74年にクルゼイロ・ド・スルを経由してペルーに至る全線が開通した。これによりアマゾニアは陸路で貫かれ,また多くの支流をもつアマゾン川水系の各河港が相互に連結された。現段階では2車線の未舗装区間が大部分であるが,政府は将来の拡幅のための道路敷を確保し,舗装化をすすめ,また道路の両側に幅約6マイルずつの入植用地を予定している。
執筆者:武田 文夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報