トワルドフスキー(読み)とわるどふすきー(その他表記)Александр Трифонович Твардовский/Aleksandr Trifonovich Tvardovskiy

デジタル大辞泉 「トワルドフスキー」の意味・読み・例文・類語

トワルドフスキー(Aleksandr Trifonovich Tvardovskiy)

[1910~1971]ロシア詩人。連作叙事詩「ワシリー=チョールキン」によって、国民的な人気を得た。また、文芸誌「新世界」の編集長として、ソ連の文芸自由化を推進した。トバルドフスキー。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トワルドフスキー」の意味・わかりやすい解説

トワルドフスキー
とわるどふすきー
Александр Трифонович Твардовский/Aleksandr Trifonovich Tvardovskiy
(1910―1971)

ソ連の詩人。スモレンスク地方の貧しい鍛冶(かじ)屋の子に生まれ、地方新聞の編集に携わる。のち、モスクワの歴史・哲学・文学大学哲学科を卒業。最初の有名な作品は叙事詩『ムラビヤ国』(1936)で、農村における社会主義変革をテーマとしたもの。大祖国戦争中の兵士を主人公として、戦うロシア人民の典型を歌い上げた叙事詩『ワシリー・チョールキン、戦士の書』(1942~45)は、国民的な作品となっている。同じく大祖国戦争に捧(ささ)げられた作品に叙事詩『路傍の家』(1946)がある。さらに、ソ連の歴史を振り返り、その未来を思索する哲学的な連作叙事詩『遠いかなた』(1958~60)は、彼の詩作が完成の域に達したことを示すものといえよう。この作品や叙事詩『あの世のチョールキン』(1954~63)などでは、スターリンの個人崇拝が厳しく批判されている。ほかに『文学評論集』(1963)などがある。なお文芸誌『ノーブイ・ミール』編集長としてエレンブルグソルジェニツィンなどの作品を取り上げ「雪どけ」を推進したが、1970年2月解任された。

草鹿外吉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トワルドフスキー」の意味・わかりやすい解説

トワルドフスキー
Tvardovskii, Aleksandr Trifonovich

[生]1910.6.21. スモレンスク,ザゴリエ
[没]1971.12.18. モスクワ
ソ連の詩人。鍛冶工の家庭に生れ,14歳で詩を書きはじめ,詩集『社会主義への道』 Put' k sotsializmu (1931) で詩人として出発,叙事詩『ワシーリー・チョールキン』 Vasilii Tërkin (41~45) で文名を確立。第2次世界大戦後の作品には,叙事詩『遠い遠いかなた』 Za dal'yu-dal' (53~60) ,『あの世のチョールキン』 Tërkin na tom svete (63) など。『新世界』誌の編集長として,A.ソルジェニーツィンを世に送り出し,スターリン主義に批判的な潮流を形成した。

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