ドイツ文字(読み)ドイツモジ

デジタル大辞泉 「ドイツ文字」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐もじ【ドイツ文字】

ラテン文字の一変種で、装飾の多い字体。12世紀ごろからドイツ中心に発達し、14、5世紀にはヨーロッパ各地に普及した。その後は衰退したが、ドイツでは第二次大戦ころまで広く用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ドイツ文字」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐もじ【ドイツ文字】

  1. 〘 名詞 〙 ラテン文字が一二世紀頃から変形されてできた字体。西ヨーロッパで広く用いられたが、ルネサンス以後はドイツにだけ残り、ドイツでも第二次世界大戦後はふつうのローマ字にほぼきりかえられた。亀甲(かめのこ)文字。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ドイツ文字」の意味・わかりやすい解説

ドイツ文字【ドイツもじ】

いわゆる〈亀の甲文字〉。12世紀ころにできた角ばったゴシック字体をもとにつくられた字体。印刷術の発明とともに他の国ではこの字体を使わなくなったが,ドイツだけが長くこれを使用。しかし,ローマ字のほうが便利なため1941年にナチス政府は使用中止を決定。最近では装飾的な場合にのみ用いられる。
→関連項目ドイツ語

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツ文字」の意味・わかりやすい解説

ドイツ文字
どいつもじ
Fraktur ドイツ語

12世紀ごろからドイツを中心に発達したラテン文字の特殊な直線的、鋭角的な字体。日本ではひげ文字ともよばれる。14、15世紀にはヨーロッパ各地に普及し、グーテンベルクが初めて印刷に用いたのもこの活字である。その後、イタリアで発達した円みのある古典的なローマ字体が優勢となったが、ドイツでは国民的な文字として長く愛用された。しかし、現在では一部の装飾的用法を除き通常印刷物ではほとんど用いられない。

[松本克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のドイツ文字の言及

【ドイツ語】より

… また同じ頃,ドイツ語の発音の面においても,ジープスTheodor Siebsの北ドイツの発音に基づく《ドイツ語舞台発音》(1898)によって,統一・規範化が行われている。 ドイツの文字としては,ローマ字体のほかに,独特のドイツ文字,いわゆる〈亀の甲文字〉が知られているが,これは12世紀にドイツで形成されたゴシック字体を基礎として16世紀にでき上がった字体であり,北部ヨーロッパに広まった。ドイツでは第2次世界大戦ころまでしばしば用いられたが,戦後はローマ字体に取って代わられた。…

※「ドイツ文字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android