ドッガーバンク事件(読み)ドッガーバンクじけん(その他表記)Dogger Bank incident

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドッガーバンク事件」の意味・わかりやすい解説

ドッガーバンク事件
ドッガーバンクじけん
Dogger Bank incident

日露戦争中の 1904年 10月 21日,日本海へ回航途中のロシアバルチック艦隊が,北海のドッガーバンク沖で夜間操業していたイギリス漁船日本水雷艇と誤認して砲撃した事件。イギリスはロシアに対して,謝罪損害賠償および責任者処罰を要求した。事件は国際審査委員会に付託され,結局ロシアは6万 5000ポンドの賠償金を支払った。

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世界大百科事典(旧版)内のドッガーバンク事件の言及

【国際審査委員会】より

…国際審査international inquiryは,1899年に第1回ハーグ平和会議で締結された国際紛争平和的処理条約(1907年に改訂)によって初めて設けられたものであり,単に事実上の見解が異なることから生じた国際紛争を国際審査委員会に付託し,その公平誠実な審理によって事実問題を明らかにし,紛争の解決を容易にする制度である。日露戦争のおり,ロシアのバルチック艦隊がイギリスの漁船を日本の水雷艇と見誤って砲撃,損害を与えた英露間の1904年のドッガー・バンク事件は国際審査によってみごとに解決した。しかし,第2次世界大戦前国際審査委員会に付託されたのはわずか3件であり,戦後も62年のイギリス,デンマーク間のレッドクルセーダー号事件のみである。…

※「ドッガーバンク事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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