ナイセ川(読み)ないせがわ(英語表記)Neisse

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナイセ川」の意味・わかりやすい解説

ナイセ川
ないせがわ
Neisse

ポーランドとドイツとの国境を北流するオーデル川の上流部にあたる支流の一つ。スデティ(ズデーテン山脈中のチェコ領に発し、初めスデティ山脈に発達する横谷に沿って北西に流れ、山脈を過ぎるとポーランドとドイツの国境を北流し、ドイツのウィルヘルム・ピーク・シュタット・グーベン(ポーランド側グービン)の北15キロメートルでオーデル(オドラ)川に注ぐ。全長256キロメートル。「ナイセ」はドイツ語名で、ポーランドではニーサNysa川という。ポーランド南部のオポーレ北西24キロメートルでオーデル川に注ぐ同名の川と区別してラウジッツァー・ナイセLausitzer Neisse(ポーランド語名ニーサ・ルジッツカ)川ともいう。上流部では発電が行われている。第二次世界大戦後、オーデル川とナイセ川を結ぶ「オーデル‐ナイセ・ライン」がドイツとポーランドの国境となった。

[三井嘉都夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナイセ川」の意味・わかりやすい解説

ナイセ川
ナイセがわ
Neisse

別称ラウジッツァーナイセ Lausitzer Neisse (ポーランド語ではニサウジツカ Nysa Łuzicka) 。ドイツとポーランドとの国境の一部をなす,オーデル (オドラ) 川の支流。全長 256km。チェコ北部のスデティ山脈北西部に源を発し,ほぼ北流してグーベンの北方でオーデル川に注ぐ。チェコ国境を離れてからの流路 199kmは,1950年の旧東ドイツ,ポーランド間の協定による,「オーデル=ナイセ線」の一部として,両国の国境となった。この協定により,それまで川の両岸にまたがっていたゲルリッツ (ズゴジェレツ) ,グーベン (グビン) などの都市は,両国に分割された。

ナイセ川
ナイセがわ
Neisse

別称グラーツァーナイセ Glatzer Neisse (ポーランド語ではニサクウォツカ Nysa Kłodzka) 。オーデル (オドラ) 川の支流。ポーランド,チェコ国境のスデティ山脈中部に源を発し,ほぼ北東流して,オポーレの北西でオーデル川に注ぐ。全長 196km。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android