翻訳|Natchez
北アメリカ、ミシシッピ川の河口近くに住んでいた先住民集団(アメリカ・インディアン)。言語はホカン・スー大語族に属するナッチェス語族のナッチェス語。1698年には3500人を数えた人口は、その後急激に減少し、周囲の先住民集団チカソーChicasaw、クリークCreek、チェロキーCherokeeに吸収されてナッチェスは姿を消した。生業はトウモロコシを主作物とする農耕であり、これは村落の共同労働であったが、個別に野生の果実の採集や狩猟も行った。30~40軒の小屋が一つの村を構成し、儀礼用の建物がかならず付属していた。部族は、太陽の子孫だと考えられた貴族と、平民の二つの階層に分けられていた。村落の首長は貴族であって太陽とよばれ、部族全体の長は大きな太陽とよばれた。その地位は母系的に受け継がれ、大きな太陽の母親は白い女とよばれた。大きな太陽、白い女と並んで、呪術(じゅじゅつ)師が宗教上大きな役割を果たし、シカ祭とトウモロコシ祭が祭礼として重要であった。
[木村秀雄]
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