日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナミキソウ」の意味・わかりやすい解説
ナミキソウ
なみきそう / 浪来草
[学] Scutellaria strigillosa Hemsl.
シソ科(APG分類:シソ科)の多年草。海岸の砂地に生え、砂中に細長い地下茎を引く。茎は高さ20~40センチメートル、稜(りょう)上に上向きの毛がある。葉は対生し、長卵形で長さ2~4センチメートル、質はやや厚く、短い柄がある。夏から秋、茎の上部の葉腋(ようえき)に紫色花を1個ずつ、一方向に向けて開く。花冠は長さ約2センチメートル、基部からほぼ直角に曲がって立ち上がり、先は二唇形となる。分果は長さ約1.5ミリメートル、熟すと萼(がく)の上側とともに外れて落ちる。北海道から九州、および朝鮮半島、中国、千島列島、樺太(からふと)(サハリン)に分布する。名は、海岸に生えるのでいう。
[村田 源 2021年9月17日]