ウクライナ南部,ドニエプロペトロフスク州ニコポリ地区にある鉱工業都市。ドニエプル川の巨大な人工貯水池カホフカの北岸に面する。人口13万3828(2005)。古くからクリミア半島と北方を結ぶ交易路がこの地を通っていたが,16世紀にドニエプル川の渡し場がつくられ,17世紀初めには集落ニキチノNikitinoが登場した。この村が1782年ニコポリと改名された。マンガン鉱脈が1874年に発見され,86年から本格的採掘と工業化が始まり,鉱工業都市として発展していった。市の周辺および東部にかけて幅20km,長さ250km,層厚2~5mのマンガン鉱床があり,推定埋蔵量は23億t以上。マンガン鉱の精錬を主産業とし,機械製作,製鋼,食料品工業なども行われている。
執筆者:中井 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ウクライナ南部の都市。1782年までニキーチノНикитино/Nikitinoとよばれた。人口13万6000(2001)、11万4156(2018推計)。カホウカ貯水池北岸に臨み、ザポリージャ―クリビー・リフを結ぶ鉄道に沿う。同国最大級のマンガンの産地。「南部鋼管工場」をはじめ、製鉄、フェロアロイ(合金鉄)、機械、クレーン組立てなどの工場があり、郷土館もある。マンガン鉱床はニコポリ付近およびその東方のマルガネツ市付近の地下に二分されて賦存する。深さは15~80メートル程度、マンガン含有率は20~35%、含マンガン鉱層の厚さは数センチメートルから6メートル、平均2.3メートル程度である。マンガン採取は1886年から開始された。
[渡辺一夫]
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