ニトロシル化合物(読み)にとろしるかごうぶつ(英語表記)nitrosyl compound

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニトロシル化合物」の意味・わかりやすい解説

ニトロシル化合物
にとろしるかごうぶつ
nitrosyl compound

分子内にニトロシル基‐NOを含む無機化合物総称有機化合物の場合はニトロソ化合物とよぶ)。ハロゲン化物NOXは一酸化窒素とハロゲンの反応で得られる気体で、そのほかNO・HSO4,NO・ClO4,NO・BF4など多数の結晶が知られており、これらはNO+を含む。一方、遷移金属への配位化合物Fe(NO)4,Ni(NO)4,Co(CO)3NOなどは中性のNOを含む。NO-・Na+も存在する。濃硝酸に二酸化硫黄(いおう)を通じて得られる硫酸水素ニトロシルNO・HSO4溶液は、強力なジアゾ化剤として工業的に利用される。

[加治有恒]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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