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デンマークの小説家。コペンハーゲンで極貧の石工の子に生まれ、のちボーンホルム島で育つ。国民高等学校で学び、卒業後同校の教師を勤めるが、健康を害しスペインで療養生活に従う。そのころから社会主義に傾き、小説を書き始める。初期作品は農民や職人に取材し地方色が濃い。彼の名を世界に広めたのは、貧窮を生き抜き革命的労働者に成長する一人物の生涯をたどる4巻の大作『勝利者ペレ』(1906~10)で、この作で西欧の代表的プロレタリア作家となる。ほかに『人の子ディッテ』5巻(1917~21)、ソ連紀行『暁をめざして』(1924)、自伝『小さい餓鬼(がき)』(1932)に始まり『野天の下で』(1935)以下に続く連作や、最後の大作『赤いモルテン』(1945)も著名。筆致は自然主義風でやや平板であるが、体験に支えられた細部の豊かさと、ヒューマンな味を特色とする。
[山室 静]
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