ノ湖(読み)あしのこ

日本歴史地名大系 「ノ湖」の解説

ノ湖
あしのこ

箱根山の火山活動から生れたカルデラ湖。全域が箱根町に含まれる。ひょうたん形の湖で湖面の面積七・〇九平方キロ、周囲約一八キロ、標高七二三メートル、最大深度四三・五メートル、貧栄養湖のため魚類は少ない。古くから箱根権現御手洗池とされていた。およそ二万年前の箱根火山活動によりはや川が堰止められて湖が出現し、当初は現在の仙石原せんごくはら高原地帯を含む大きな湖であった。その後大涌おおわく谷付近の大爆発でかみ山に山崩れが起き芦ノ湖を二つに分断仙石原のほうはしだいに湿地帯になっていった。現在も早川水源となっている。

「筥根山縁起序」によれば、西汀を駿河津、南岸を伊豆地、東浜を相模津、その続きを室河津むろかわつと称し、相模津には箱根三所権現が祀られ、「莅彼境業障懺悔、故称懺悔津」とあるように、山岳僧たちがこの岸で水垢離をとり、業障懺悔の修行をした。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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