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箱根用水 はこねようすい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

箱根用水
はこねようすい

別称深良用水。静岡県東部,芦ノ湖黄瀬川を結ぶ灌漑用水路。延長 7km。箱根外輪山トンネル (延長 1280m,幅 2m) で貫き,芦ノ湖の水を黄瀬川に導水している。寛文3 (1663) 年深良村の名主大庭源之丞ら地元民により計画,江戸幕府に願い出,同6年許可され,友野与右衛門が中心となり着工,同 10年完成。

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デジタル大辞泉の解説

はこね‐ようすい【箱根用水】

箱根山芦ノ湖の水を駿河国深良(ふから)村(静岡県裾野市深良)など数か村に引いた灌漑(かんがい)用水路湖尻峠の下に掘ったトンネルを西流し黄瀬川に注ぐもの。寛文3年(1663)ごろ着手、同10年(1670)完成。深良用水。

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百科事典マイペディアの解説

箱根用水【はこねようすい】

静岡県裾野市にあり,富士山麓の駿東(すんとう)郡一帯を灌漑(かんがい)する用水。深良村の名主大庭源之丞らが幕府の許しを得,江戸浅草の友野与右衛門らが元締になって1666年着工,1670年完成。
→関連項目友野与右衛門トンネル

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世界大百科事典 第2版の解説

はこねようすい【箱根用水】

箱根の芦ノ湖の水を駿河国(静岡県)駿東郡に引水した灌漑用水。はじめ箱根掘貫,のちに深良(ふから)用水と呼ぶ。江戸町人友野与右衛門らが駿東郡深良村名主大庭源之丞とともに湖水を利用した新田開発を企て,1666年(寛文6)小田原藩と幕府の沼津代官所に出願,70年に完成した。灌漑高は6030石。用水の中心は湖岸からの掘貫(隧道)で長さ約1300m,その先は堀割で黄瀬川に合流している。開発された水田はもとは畑であったものである。

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大辞林 第三版の解説

はこねようすい【箱根用水】

相模国の芦湖の水を、トンネルを掘って箱根山西麓の駿河国深良ふから川・黄瀬川に導いた灌漑用水。深良村名主大庭源之丞が中心となり1666年に着工、70年竣工。深良用水。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

箱根用水
はこねようすい

深良(ふから)用水ともいう。箱根外輪山湖尻(こじり)峠の下に隧道(ずいどう)を掘り、相模(さがみ)国(神奈川県)芦ノ湖(あしのこ)の水を駿河(するが)国駿東(すんとう)郡深良村(静岡県裾野(すその)市)の深良川に注ぎ、さらに流路変更や新川掘削工事などを施して黄瀬(きせ)川に結び、かつての井組29か村(御殿場(ごてんば)市の一部および裾野市、長泉(ながいずみ)町、清水町など)、面積500ヘクタール余に灌漑(かんがい)用水を供した用水。この用水の特色は、相駿国境および水系を越えた用水路であること、また湖尻峠の下に長さ1341.8メートル、平均勾配(こうばい)250分の1、取入口と取出口の標高差9.8メートルという巨大な隧道をもつことである。深良村以南の地は箱根山および愛鷹(あしたか)山の裾に開け、北から南に黄瀬川が流れているが、水量も少なく、また深い侵食谷を形成しており、灌漑用には不十分で開発も不可能であった。
 1663年(寛文3)ごろ深良村名主大庭源之丞(おおばげんのじょう)は、江戸浅草の商人と伝えられる友野与右衛門(よえもん)らと図り、芦ノ湖の水につき伝統的に権限をもつ箱根権現(ごんげん)の別当快長(かいちょう)の理解も得て、大庭、友野らが元締(もとじめ)となって幕府に開削願いを出し66年に着工、70年に完成させた。動員された人夫33万余人、工事費も6000両とか、9700両などといわれ、工法も火薬など用いず鉄のみだけで掘り開けたという。隧道工事の進展につれ、箱根関所の存在にかかわり、幕府などの妨害をしばしば受け、また完成後まもなく友野らが消息不明になるなどの悲劇を伴っていたため、タカクラ・テルの小説『箱根用水』の題材にもなった。
 なお、この工法の原型を蓼科(たてしな)山北麓(ろく)の五郎兵衛堰(ごろべえぜき)(長野県佐久市。1631完成)に求める推測もある。相駿二国にかかる用水路であったため、1896年(明治29)の逆川口破壊事件など神奈川県早川水系の人々との水利権をめぐる争いもみられた。[若林淳之]
『『静岡県駿東郡誌』(1917・駿東郡役所) ▽タカクラ・テル著『箱根用水』改訂版(1971・東邦出版)』

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世界大百科事典内の箱根用水の言及

【駿河国】より

…享保年間には勘定吟味役萩原源左衛門美雅の命による治水工事,新田開発がなされた。1666年(寛文6)江戸浅草の豪商友野与右衛門と駿東郡深良村名主大庭源之丞によって箱根用水工事が始められた。箱根外輪山の山腹にトンネルを掘り,芦ノ湖の水を干ばつの地富士裾野に引く工事で,人夫延33万余,費用7335両,4年半の歳月をかけた難工事であったが,駿東郡29ヵ村が干ばつから免れることになった。…

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