ハマナ(読み)はまな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマナ」の意味・わかりやすい解説

ハマナ
はまな / 浜菜
[学] Crambe maritima L.

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の多年草。シーケールともいう。小アジアからヨーロッパの海岸地帯原産地下茎は地をはい、地上茎は直立してよく分枝し、高さは約1メートル。葉は多肉質で蝋(ろう)質の粉をかぶったような灰緑青色。5~6月、茎頂芳香のある白色十字花を開く。果実は莢(さや)状で、種子は径5~6ミリメートルの球形である。塩分を含む粘質の土でよく育つ。春に種子を播(ま)き、または株分けで殖やし、土寄せするか暗所で栽培し、多肉質の葉柄を軟白し、これを食用とする。ヨーロッパで広く栽培される。日本へは明治初年に渡来したが、ほとんど栽培されていない。

[星川清親 2020年12月11日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマナ」の意味・わかりやすい解説

ハマナ(浜菜)
ハマナ
Crambe maritima; sea kale

アブラナ科の多年草。西アジアからヨーロッパにかけての原産で,海浜断崖などに生えるが,野菜としても広く栽培され特にイギリスで好まれる。根茎は肥大し,直立する地上茎と匍匐枝を出す。茎も肥大し,数多く分枝する。葉は青緑色で,根生葉には柄があり長さ 60cmにも達し,葉身は卵状長楕円形で葉縁に切れ込みがある。5~6月,茎頂に背の高い散房花序を出し,多数の美しい白色の十字花を開く。花は径約 1.2cm。同属近縁種C. tataricaがあり,ヨーロッパで野菜とすることもある。

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