ハンドボールの用語(読み)はんどぼーるのようご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンドボールの用語」の意味・わかりやすい解説

ハンドボールの用語
はんどぼーるのようご

ゴール・スロー goal throw
 攻撃側およびゴールキーパーによってボールがアウターゴールラインから出された場合、ゴールエリア内からゴールキーパーによって行われるスロー

セット・オフェンス set offense
 完全に防御陣形を敷いた相手に対してブロック、フェイント、ポスト・プレーなどを組み合わせて切り崩す組織攻撃。

全員攻撃 all man attack
 ゴールキーパーとコート(フィールド)プレーヤーが交代し、コート上で7人のコートプレーヤーが攻撃すること。7人攻撃ともいう。2016年に改正される前は、コート上の選手はかならずゴールキーパー(1人)を含むとされていたが、ルール改正後はコート上にコートプレーヤーが同時に7人いることが許されるようになった。相手守備陣6人に対し数的優位で攻撃できることから、内外で急激に増えた戦術。攻撃側がミスして相手にボールを拾われ無人のゴールに投げ込まれた失点は「エムプティ・ゴール」などといわれる。

ゾーン・ディフェンス zone defense
 前後左右の連係によって、それぞれの受け持ち範囲を責任をもって守る守備法。システムとしては4―2、5―1、6―0、3―2―1などがある。

チーム・タイム・アウト team time out
 コーチまたはアシスタント・コーチの請求によって認められるゲームの休止時間のこと。各チームは競技時間中に前・後半に各1回ずつ1分間のタイム・アウトを取ることができる。延長戦では取れない。大会によって最高3回(前・後半それぞれにおいては最高2回)まで認められるケースがある。競技運営上の理由で審判員試合(競技)を中断させる場合は「レフェリー・タイム・アウト referee time out」とよぶ。

7メートル・スロー 7 meters throw
 明らかに得点できる状態の攻撃者に対して反則が行われた場合に、攻撃側に与えられるスロー。攻撃側1人がゴールキーパーだけの相手ゴールに向かってシュートを行う。プレーヤーは、7メートルラインから、その1メートル後方までの範囲に位置どりしなければならない。レフェリング吹笛)への不満行為や言動にも適用され、ペナルティスロー(PT)とよばれたこともある。規定の競技時間、延長戦でも同点で勝負がつかなかった場合、両チーム5人が交互に7メートル・スローを行って決着を図る場合がある。5人でも決まらないときは1人ずつが繰り返す。「ショット・アウトshot out」「シュート・アウトshoot out」ともよばれ、日本では「7メートル・スロー・コンテスト」という。

パッシブ・プレー passive play
 攻撃側の消極的なプレーに対する反則。無用のパスの繰り返しや、シュート態勢になかなか入らぬ状態のとき、審判員は予告合図(ジェスチャー)を示し、いつでもパッシブ・プレーを判定できる。予告合図を受けた攻撃側は、6回のパスのあとシュートしなければ、相手チームのボール(フリー・スロー)となる。テンポの速い展開と激しい攻防を連続(継続)させる目的で制定されたルール。

フリー・スロー free throw
 ルール違反したチームの相手側に与えられる。反則の行われた地点から自由にスローでき、直接、ゴールもねらえる。守備側は、スローを行う選手から3メートル以上離れていなければならない。

プロンジョン・シュート plungeion shoot
 シュート法の一つ。わずかな間隙(かんげき)を利用してゴールエリア内に倒れ込み、あるいは飛び込んで行うシュート。空間利用の攻撃法で高度な技術を要する。1960年代後半に日本が編み出した「スカイプレー」sky playはこの攻撃法の一種。

ポスト・プレー
 攻撃法の一つ。ゴールエリアライン周辺に位置して得点機会をうかがうプレーヤーを「ポスト」「ピボット」などとよぶ。「ポスト」のプレーヤーはゴールを背にして立つため、パスを受けると身体を反転させ倒れ込みながらシュートするケースが多い。ときに受けた体勢からそのままバックハンドシュートを試みるが成功率は低い。攻撃側の「ポスト」をマークする防御側のプレーヤーも「ポスト」とよばれる。近年、ヨーロッパでは「ポスト」のプレーヤーは長身者が多く、男子は2メートル、女子は180~190センチメートル台が常識化している。「ポスト」へのパスの攻防が見どころにもなった。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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