ハンノ(その他表記)Hanno

改訂新版 世界大百科事典 「ハンノ」の意味・わかりやすい解説

ハンノ
Hanno

カルタゴ提督,探検家,航海家。生没年不詳。前5世紀初め,約3万人の男女食糧をのせた60隻の50櫂船を指揮して西アフリカに向かい,たぶんカメルーンにまで達した。もっと南のガボンにまで達したとする説もある。航海の目的は貿易市場の開拓植民地建設で,彼はその目的を達成した。しかし彼に続く航海家は約2000年後のポルトガル人航海家まで現れない。彼は航海記録をカルタゴの神殿に刻み,それを前1世紀のギリシア人が翻訳して残し,このギリシア語訳だけが後世に知られているが,記録中の地名多く比定困難であることをはじめ,いくつかの理由をあげてこの記録に信憑(しんぴよう)性を認めない学者もある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンノ」の意味・わかりやすい解説

ハンノ
Hanno

古代カルタゴの将軍。大ハンノと称される。前3世紀の親ローマ的貴族派。大土地所有者の立場から,商人階級を代表するハミルカル・バルカスハンニバル親子と対立。ハンニバル敗退後,ローマとの和約締結に尽力した。なお,ハンノは「長老」を意味する名で,ほかに多くの人物がいる。

ハンノ
Hanno

古代カルタゴ,前5世紀の将軍。 60隻,3万の男女を率いて現在のモロッコセネガルなどに次々と植民地を建て,ガンビア,シエラレオネからカメルーンにまで達したと思われる。その航海の記録はギリシア語訳されて 10世紀までは残っていた。なお,ハンノは「長老」を意味する名で,ほかに多くの人物がいる。

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百科事典マイペディア 「ハンノ」の意味・わかりやすい解説

ハンノ

カルタゴの提督,航海者。前5世紀初めにアフリカ西岸の探検航海に派遣され,大船団を率い,ベルデ岬を越えておそらくはカメルーン付近に達した。もっと南に達したとの説もある。約2000年後ポルトガルの航海者まで,こうした航海は以後行われなかった。

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世界大百科事典(旧版)内のハンノの言及

【博物学】より

…アリストテレスを頂点とする古代の博物学が大きな発展を示したのも,アレクサンドロス大王の東征に見られるような大規模な文化交流が実施されたことが一因である。インド,ペルシア方面についてはクテシアスの旅行記,アフリカ方面については,カルタゴの提督ハンノHanno(前5世紀)の随行者による報告などがまとめられ,1世紀には大プリニウス《博物誌》に集大成された。また植物に関してはほぼ同じころディオスコリデス《薬物誌》にその成果が結実した。…

【博物学】より

…アリストテレスを頂点とする古代の博物学が大きな発展を示したのも,アレクサンドロス大王の東征に見られるような大規模な文化交流が実施されたことが一因である。インド,ペルシア方面についてはクテシアスの旅行記,アフリカ方面については,カルタゴの提督ハンノHanno(前5世紀)の随行者による報告などがまとめられ,1世紀には大プリニウス《博物誌》に集大成された。また植物に関してはほぼ同じころディオスコリデス《薬物誌》にその成果が結実した。…

※「ハンノ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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