ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バラシュ」の意味・わかりやすい解説
バラシュ
Balas, Iolanda
[没]2016.3.11. ブカレスト
ヨランダ・バラシュ。ルーマニアの陸上競技選手。1950年代後半から 1960年代にかけて女子走り高跳びの第一人者として活躍。世界記録を 14回更新し,1960年と 1964年のオリンピック競技大会で連覇を果たした。1940年代後半から走り高跳びを始め,国内選手権大会では 1951年の初勝利を皮切りに,通算 19回優勝。1953年,のちに夫となるイオン・ソテルの指導で本格的なトレーニングを始め,翌 1954年ヨーロッパ選手権大会で 2位に入った。1956年メルボルン・オリンピック競技大会では 5位に終わったが,1958年には女子で初めて 1m83を跳んだ。1960年ローマ・オリンピック競技大会で 1m85を跳んで優勝し,翌 1961年 1m91の自己最高記録を達成。この記録はその後 10年間破られなかった。1964年東京オリンピック競技大会では目標とした 1m92に達しなかったものの,2位に 10cmの差をつけて 1m90を跳び,2個目の金メダルを手にした。10年あまりの連勝記録がとだえたのは 1967年,けがが原因であった。同 1967年,引退してソテルと結婚,体育教師に転じた。1988~2005年,ルーマニア陸上競技連盟会長を務めた。2012年に国際陸上競技連盟 IAAF(→ワールドアスレティックス)が陸上競技殿堂を設立した際,初回殿堂入りのメンバーの一人に選ばれた。
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