ティミショアラ(読み)てぃみしょあら(英語表記)Timişoara

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティミショアラ」の意味・わかりやすい解説

ティミショアラ
Timişoara

ルーマニア西部,ティミシュ県 (面積 8692km2。人口 67万 7744〈2002推計〉) の県都ハンガリーおよびセルビアとの国境に近く,ハンガリー平原の南東部に位置し,ベガ運河が市内を貫流する。 14世紀初期に城塞が築かれ,1552~1716年トルコ領,1718年ハプスブルク家の領有となり,1920年ルーマニア領となった。住民はルーマニア人のほか,ハンガリー人,セルビア人,ドイツ人などが多い。第2次世界大戦後,南西部の商工業の中心地として急激に発展し,機械,電機,化学,繊維,製材,食品の工場が立地した。首都ブカレストとセルビアのベオグラードを結ぶ国際鉄道幹線の要地でもある。 1945年創立の総合大学,医科工科,農科の単科大学,国立劇場,歌劇場のほか,15世紀に建設され,のち復元されたフニャディ家の城跡,18世紀のカトリック聖堂などがある。 1989年この地で起こったハンガリー系住民の虐殺に対し抗議デモが発生,拡大して全国規模の革命に発展,ニコラエ・チャウシェスクの独裁体制が崩壊した。人口 33万 4098 (1997推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティミショアラ」の意味・わかりやすい解説

ティミショアラ
てぃみしょあら
Timişoara

ルーマニア西部、ティミシュ県の県都。運河化されたベガ川沿いに市街が発達し、セルビアとの国境に近い。人口31万7660(2002)。13世紀以来、バナート地方の経済、軍事、交通、文化の中心地であり、大学、天文台、劇場、交響楽団などがある。農業機械、自動車、電気機械、薬品、印刷などの工業が発達している。古い城壁や、18世紀のバロック様式のカトリック大聖堂などがある。1989年、チャウシェスク社会主義政権崩壊への動きが始まった都市で、ハンガリー人も多い。

[佐々田誠之助]

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