ばら星雲(読み)ばらせいうん(英語表記)Rosette Nebula

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ばら星雲」の意味・わかりやすい解説

ばら星雲
ばらせいうん
Rosette Nebula

いっかくじゅう座にある美しい発光星雲。赤いばらの花に似ていることからこの名前がついた。星雲全体ではなく、その一部に、NGC2237、2238、2239、2246の名前がついている。見かけの大きさは約60分角で、満月の2倍ほどある。地球からの距離は約4600光年で実際の大きさは約100光年である。ばらの花の花心にあたる中心部に若い散開星団NGC2244の星々が見える。この星団の高温度星からの紫外線星間ガスを電離している。赤く見えるのは水素原子の出すHα(アルファ)線が強いからである。中心部の空洞は、高温度星からの強い星風でガスが吹き飛ばされたためと考えられる。

[岡村定矩]


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改訂新版 世界大百科事典 「ばら星雲」の意味・わかりやすい解説

ばら星雲 (ばらせいうん)
Rosette nebula

NGC2237,2238,2244,2246。冬空のいっかくじゅう座にある散光星雲直径が1度にも広がっており,カラー写真を撮ると真っ赤に輝くバラの花のような星雲が見られる。1枚1枚の花びらに,朝日の中のしずくのように青白い星々が輝いている。これらの星はNGC2244と呼ばれる散開星団である。距離は3600光年で,60光年もの広がりをもっている。中央部の20光年くらいのところでは星雲光はなく,ぽっかりと穴があいたようになっている。中心にある年齢が1000万年くらいの青白い星が放射する紫外光によって,星雲ガスが電離して輝いているばかりでなく,星雲ガスや星雲内の星間塵が外向きに押されて,中央部にガスのない穴ができた。星雲光のある部分でも小さな黒いしみのようなものが見られる。これをグロビュールと呼んでいて,ガスと星間塵が押し縮められて星が形成されていると考えられている。星雲ガスは毎秒10kmの速さで膨張している。
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百科事典マイペディア 「ばら星雲」の意味・わかりやすい解説

ばら星雲【ばらせいうん】

いっかくじゅう座にある散光星雲。NGC2237,2238,2244,2246。カラー写真に撮影すると真紅のバラの花のように見える。距離3600光年。

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