カラー写真(読み)カラーしゃしん(英語表記)colour photography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラー写真」の意味・わかりやすい解説

カラー写真
カラーしゃしん
colour photography

被写体色彩を再現する写真。フィルムを用いるものでは直接に透明陽画をつくるカラースライドと,カラーネガフィルムから焼き付けるカラープリント(→焼き付け),それにインスタント写真のカラープリントが一般的である。ヤングヘルムホルツ三色説を応用して,1855年にイギリスのジェームズ・クラーク・マクスウェルが考案した加色法天然色写真と,デビッド・ブルースターの第2三色説によって,1858年にフランスのルイ・デュコ・デュ・オーロンが提案した減色法天然色写真とを基礎に,発色現像による多層式カラー写真に発展した。多層式カラー写真は,1935年イーストマン・コダックがコダクローム・フィルムとして完成したもので,一回の撮影で同時に三色分解が行なわれ,発色現像により 3乳剤層の 3色素画像が発色する。カラーネガ画像は,自動的に被写体の色補正を行なうように仕組まれており,街頭広告などの大型カラー透明陽画は,カラーネガから引き伸ばされたカラープリントの一種である。デジタルカメラで撮影したカラー画像データや,画像データからインクジェットプリンタなどでプリントした写真もカラー写真と呼ばれる。

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