ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルデマール4世」の意味・わかりやすい解説
バルデマール4世
バルデマールよんせい
Valdemar IV, Atterdag
[没]1375.10.24.
デンマーク王 (在位 1340~75) 。クリストフェル2世の子。2世紀にわたる内紛と外患によって衰弱したデンマークの王となり,新税とドイツ騎士団へのエストニア売却 (46) による財源によって,外国領となっていた国土 (スコーネを除く) を買戻した。貴族,市民,農民に兵役義務を負わせた募兵制度と築城によって軍隊を強化,一連の外交,軍事によってローストック,リューゲン島 (49~50) ,スコーネ (60) ,ゴトランドのビスビュー (61) を領有または占領。これに対し,ハンザ同盟 60都市はスウェーデン,メクレンブルク,ホルシュタインを誘い,ユトラント (ユラン) の貴族とも結んでバルデマールを攻撃,王は悪戦苦闘の末屈服して,ハンザ諸都市の特権を増大させるシュトラルズント条約を結んだ (70) 。他日を期して不屈の戦いを続け,「他日王」と呼ばれ,デンマークの統一を回復した。
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