バルト海上,スウェーデン領のゴトランド島西部に位置する同島の中心都市。人口5万7000(1990)。同島の主産物であるテンサイ糖および食肉類の積出港であるとともに,市内には多少の工業生産も見られる。歴史は古くバイキング時代にさかのぼるが,12世紀以後ドイツ人が来訪・定住するとともに商都として隆盛を迎え,ハンザ商業成立の上で重要な役割を演じた(ハンザ同盟)。当初ロシアとの貿易の中継拠点となり,12~13世紀にバルト海貿易の主役を演じたが,ドイツ都市リューベックの台頭とともにその地位を奪われた。14世紀後半にデンマーク王の攻撃を受けたが,これは全ハンザ都市の結束を促すこととなり,ハンザ諸都市の支援によってデンマーク勢力を撃退することができた。1645年以降スウェーデン領となり,現在にいたる。市内には旧跡が多く,とくに中世の市壁が良く保存され,今日観光都市として脚光を浴びつつある。
執筆者:高橋 理
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…ゴトランド商業は,12世紀ザクセンのハインリヒ獅子公(リューベックの建設者)と結び,ノブゴロドに商館をもつことで全盛を迎える。リューベック領域の自由通過権をうることによってドイツ,北海地方,イングランド,ノルウェーとの交易がなされ,他方リューベックをはじめとするハンザ同盟の商人もゴトランドの都市ビスビューを訪れた。12世紀末にはドイツ教会が建設された。…
※「ビスビュー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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