…同様な都市空間の生成はアルプス以北の諸国にも見られ,フランスでは,アンリ4世の時代以降,パリに,円や三角,方形などの幾何学的な平面をもつ記念広場が,それを取り巻く市街建築の整備によって誕生した。バンドーム広場(J.H.マンサール,1685‐99)やコンコルド広場(J.A.ガブリエル,1755‐70)はその例である。こうした建築のスケールを超えた空間のデザインが,もうひとつ豊かな結実を見せたのは,17世紀フランスの幾何学式庭園であり,強い中軸線によって広大な庭の空間を統合するその方法は,ル・ノートルのベルサイユ宮殿の庭園において頂点に達し,その宮殿建築とともに,ヨーロッパ各国に大きな影響を与えた。…
…一方,パリではブルボン王朝の栄華を都市空間に示すべく,ル・ノートル,マンサールなどの計画によって整備,改造が進められた。ローマでは,カンピドリオ広場,サン・ピエトロ広場など,パリではバンドーム広場,コンコルド広場などがある。このような都市空間の秩序づけはパリではさらにオスマンの都市改造に引き継がれるとともに,イギリスやドイツはもとよりワシントンなど新大陸の首都計画にも大きな影響を与えたのである。…
※「バンドーム広場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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