パキラ(読み)ぱきら

デジタル大辞泉 「パキラ」の意味・読み・例文・類語

パキラ(〈ラテン〉Pachira)

アオイ科の小高木。観葉植物として鉢植えなどにされる。熱帯アメリカ原産。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パキラ」の意味・わかりやすい解説

パキラ
ぱきら
[学] Pachira

パンヤ科(APG分類:アオイ科)パキラ属の総称。カイエンナットCayenne nutともいう。小高木で、葉は掌状複葉果樹としてP. aquatica Aubl.とP. macrocarpa (Schlecht. et Cham.) Walp.がよく知られ、前者メキシコ南部から南アメリカにかけて分布し、種子は炒(い)って食べる。室内でも育てやすく、観葉植物として人気があり、広く流通している。後者はメキシコから南アメリカ北部にかけて分布する。これの果実は卵状木質の殻果で、長さ10~20センチメートル、5室からなり、各室に数個の種子があり、生食または炒って食べる。またココアの代用ともなる。ただし、パキラの果実には微量毒素があるため、現在は食用にすることはほとんどない。

[飯塚宗夫 2020年4月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パキラ」の意味・わかりやすい解説

パキラ
Pachira aquatica; Guiana chestnut; provision tree; water chestnut; wild cocoa

パンヤ科の常緑高木。メキシコからブラジルにかけて分布し,高さ5~20mになる。葉は掌状複葉で互生。全縁で長披針形の小葉は長さ 10~30cmになる。なめらかな幹の表面灰色または緑色。花は長さ 10~20cmの白いおしべが 200~250本房状に出て,非常に目立つ。種子はカイエンナッツと呼ばれ,食用になる。 1980年代以降,観葉植物として人気があり,鉢植えで流通する。耐陰性があって室内で栽培しやすいが,徒長して姿が悪くなることがあるのでなるべくよく日に当てる。ハダニカイガラムシの発生を防ぐには,葉裏を中心に葉水を頻繁に与えると効果がある。

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