ぱっちり(読み)パッチリ

デジタル大辞泉 「ぱっちり」の意味・読み・例文・類語

ぱっちり

[副](スル)
物を閉じたり割ったりする音や、そのさまを表す語。
扇子おうぎ―」〈紅葉・二人女房〉
目を大きく見開くさま。また、目もとのはっきりしているさま。「目のぱっちり(と)した女の子
[類語]ぱちりかっと瞠目どうもく瞠若どうじゃく目を目を見張る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぱっちり」の意味・読み・例文・類語

ぱっちり

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. ( 古くは「はっちり」 ) 物が裂けたり、割れたり、閉じたり、軽く当たったりする音、また、そのさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「竹のはっちりとなった声をきいて心に色々のことを案じ思う念を忘て無心になったぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)
    2. 特に、処女を自分のものにするさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「此春石部のぱっちりは、ほんの其場の出来心」(出典:浄瑠璃・桂川連理柵(おはん長右衛門)(1776)上)
    3. 動きや形の輪郭がはっきりしているさまを表わす語。
      1. (イ) 物事があいまいでないさま。
        1. [初出の実例]「うぬ、ぱっちり云はしゃせぬか」(出典:歌舞伎・台頭霞彩幕(三勝半七)(1812)二幕)
      2. (ロ) 目もとなどのはっきりしているさま。
        1. [初出の実例]「こいねむりするかぶろの、まがしらに付ると、はっちりとめがさめる」(出典:浄瑠璃・昔米万石通(1725)上)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 えりなどに塗る固形の白粉。湯で溶いて用いる。〔俚言集覧(1797頃)〕

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