変奏曲,組曲,多楽章形式の楽曲などの意味で用いられた音楽用語。イタリア語の〈部分parte〉という意味から,16世紀末から18世紀初頭にかけて,変奏曲のなかの一つの変奏に対する名称として用いられた。18世紀以後の変奏曲では,とくに〈主題〉と題される第1曲が第1パルティータ,そして第1変奏が第2パルティータというように数えられるのが普通であった。変奏曲全体を指すのには,partite(複数形)なり,partite diverse(〈種々のパルティータ〉の意)が用いられた。その後,多楽章形式の器楽曲,さらには組曲を指すためにも,用いられるようになった。J.S.バッハの作品のなかでは,曲全体が〈partite diverse〉と題されたオルガン用コラール変奏曲(BWV766~768)と,〈partita〉と題された組曲としての六つのクラビーア曲(BWV825~830)と,無伴奏バイオリン用の三つのパルティータ(BWV1002,1004,1006)がとくに有名である。
執筆者:東川 清一
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