パルティータ(読み)ぱるてぃーた(英語表記)partita イタリア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルティータ」の意味・わかりやすい解説

パルティータ
ぱるてぃーた
partita イタリア語

バロック時代に用いられた音楽形式名称。元来イタリアで「変奏曲」の意味で使われたが、この用法ドイツにも入り、賛美歌に基づく変奏曲が「コラール・パルティータ」とよばれた。また、ドイツでは17世紀末から「組曲」の意味にもこの語が使われ、フローベルガークーナウのあと、J・S・バッハが六曲のハープシコード用パルティータ(BWV825~830)で芸術的な完成へ導いた。

[寺本まり子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パルティータ」の意味・わかりやすい解説

パルティータ
partita

音楽用語。独奏用の組曲のこと。変奏曲を意味する言葉で,17世紀初期には変奏曲のために用いられたが,中期から変奏組曲の意味にも用いられ,17世紀終り頃からドイツの作曲家が組曲の意味で用いるようになった。代表例は J. S.バッハの『6つのチェンバロのためのパルティータ』『無伴奏バイオリン・パルティータ』など。

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