知恵蔵 「パレオダイエット」の解説
パレオダイエット
パレオダイエットで主に摂取すべき食べ物は、肉類・魚介類・野菜・果物類・木の実など。通常の食事で主食となる糖分の高い炭水化物、すなわち米やグルテンを含むパスタやパン、その他トウモロコシなどの穀類は避ける。しかし、炭水化物が全く禁じられるわけではなく、芋類やカボチャなどの野菜から摂取する。調理方法は薄味で、穀類から取った油ではなく、ココナッツオイルやオリーブオイルを使用することが推奨されている。
ボーグトリンは、1日の摂取カロリーの半分以上を肉から摂取していた原始的な食事こそが、人類に適していると主張。また、米国ではグルテンが原因となるアレルギーや不耐症、過敏症の人口が増加している現状があり、アレルギーがない人でもグルテンの摂取過多によって内臓に炎症を起こす場合があるなど、グルテンに毒性があるとの考え方にも基づいている。
炭水化物の摂取量を抑える点は低炭水化物ダイエットと共通し、糖質を減らして痩せる低糖質ダイエットとも似ている。しかし、パレオダイエットで穀類や糖質を避けるのは、炭水化物や糖の過剰摂取が肥満につながるからということではなく、穀物や砂糖が旧石器時代の食生活にはなじまないからであり、理由が異なっている。
他のダイエット方法と異なる点は、動物性たんぱく質の摂取量には制限がないため空腹感がないことである。たんぱく質は筋肉の基になることから、基礎代謝の高い体づくりにも効果がある。痩せるだけでなく、「健康体になる」ことを重視しているとされている。
(若林朋子 ライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報