ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒルペリヒ1世」の意味・わかりやすい解説
ヒルペリヒ1世
ヒルペリヒいっせい
Chilperich I
[没]584.9.10.
メロビング朝時代のフランク王国の分国,ネウストリア王 (在位 561~584) 。シルペリク1世とも呼ばれる。フランク王クロタール1世の末子。父王の死後,異母兄弟からごくわずかな領地を除いて相続を封じられたが,567年異母兄カリベルト1世の死で大領地を手に入れた。妻の暗殺を仕組んだ妾フレデグンドと再婚,兄のジゲベルト1世やグントラムとあるときは戦い,あるときは同盟して野心を満たし,また民に重税を課し,教会財産を奪ったりした。このためツールのグレゴリウスはヒルペリヒ1世を「当代のネロでありヘロデである」と評した。サリカ法典で否定されていた女子にも土地相続権を拡張することを試みたが,584年王妃フレデグンドに暗殺された。
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