1987年に登録、2007年に登録内容が変更されたイタリアの世界遺産(文化遺産)で、フィレンツェの西96kmにあるトスカーナ州アルノ川の河畔に位置する。1063年着工の大聖堂(ドゥオモ)はロマネスク様式で、大理石を積んで建てられた。西側にある円形の洗礼堂は、12~14世紀に建造され、建築途中でロマネスクからゴシック様式に変わっている。ドゥオモ広場の北端には、墓所(カンポサント)が建つ。「ピサの斜塔」として有名な鐘楼(トッレ・ペンデンテ)は円筒形の8層構造で、ドゥオモの付属施設として建造された。高さは約55m、直径は約17mで、1173年に建築家ギヨームとボナンノ・ピサーノの設計によって建築が始まったとされるが、建設中に傾斜し始めたので、保全のための修復が行われ、今は安定した状態を保っている。ガリレオ・ガリレイ(1564~1642年)は、この斜塔で「重力の法則」の実験を行ったといわれる。人類の歴史上、重要な時代を例証するとして、世界遺産に登録された。◇英名はPiazza del Duomo, Pisa。ピサのドゥオモ広場は、ピアッツァ・デイ・ミラーコリ(Piazza dei Miracoli)、あるいはカンポ・デイ・ミラーコリ(Campo dei Miracoli)とも呼ばれ、「奇跡の広場」という意味。