フィッギス(読み)ふぃっぎす(その他表記)John Neville Figgis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィッギス」の意味・わかりやすい解説

フィッギス
ふぃっぎす
John Neville Figgis
(1866―1919)

イギリスの政治哲学者、歴史学者、宗教家。ケンブリッジ大学に学び、そこでメイトランドクレイトンアクトンの影響を受けた。彼は、西欧政治思想伝統にとって基本的な「教会」と「国家」の問題に関心をもち、強大化しつつある国家主権を批判し、宗教団体抵抗拠点と考え、いわゆる政治的多元主義の唱導者の1人となった。主著には『王権神授説』The Divine Right of Kings(1896)、『近代国家における教会』Churches in the Modern State(1913)などがある。

[柴田平三郎]

『日下喜一著『多元主義の源流――J.N.フィッギスの政治思想』(1984・早稲田大学出版部)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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