国家論(読み)こっかろん

精選版 日本国語大辞典「国家論」の解説

こっか‐ろん コクカ‥【国家論】

[1] 〘名〙 国家の成立、機能、目的、任務などを追求する理論。
※滑稽時事小言(1889)〈骨皮道人〉三味線の流行「故に賢明公も英雄殿も国家論や民権説の屁痴固(へちがた)い理屈を聞んよりは」
[2] (原題De Republica) 政治思想書。六巻現存。キケロ著。前五五~前五一年成立。スキピオを主役とした対話体で、政治形態の循環や哲人政治家を論じ、ローマ共和制に理想を求めたもの。自然法の概念が見られ、中世の政治思想に影響を与えた。

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旺文社世界史事典 三訂版「国家論」の解説

国家論
こっかろん

①古代ギリシアの哲学者プラトンの著書。原題Politeia
②フランスの社会思想家ボーダンの著書。原題De la république
前377年ごろ〜前369年ごろの作。少数の哲人が統治する理想国家の構想を説き,奴隷制を社会に必要なものとしている。シラクサでその理想を実現しようとして失敗した。
1576年刊。6巻よりなる。国家主権を最高絶対のものと認め,絶対王政の理論的根拠となった。

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世界大百科事典内の国家論の言及

【国家】より


[階級国家観]
 国家を階級抑圧の機関であるとみなす立場である。この理論はおもにマルクス主義の国家論として展開されてきた。マルクス主義によれば,生産力が増大するに従って,あらゆる社会には階級対立が発生するが,それとともに社会に必要な共同事務の遂行を果たす公権力は,その社会機能と同時に,支配階級による被支配階級の抑圧という政治的機能を果たすことになる。…

【財政学】より

… 周知のようにマルクスは,資本制経済が,不均衡の不断の累積とその必然的結果としての恐慌の発生,そしてその循環の過程であることを鋭く明確に指摘した最初の人である。他方で彼は,下部構造と上部構造の関係,さらに階級闘争の理論を骨子とする国家論を構想し,国家が幻想上の普遍的利害を標榜(ひようぼう)して個別利害に制御と干渉を加え,体制の維持を図っていくことを見通した。ここにマルクス独自の,政治と経済を一貫した国家の役割把握の視角をみることができる。…

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