朝日日本歴史人物事典 「フィルヌーヴ」の解説
フィルヌーヴ
生年:1800
江戸後期に来日したフランス系オランダ人の退役軍人,画家。オランダのハーグに生まれ,蘭領東インド陸軍病院に勤務していた。文政8(1825)年シーボルトの招きで来日した。絵画に優れており,シーボルトの助手として動植物の生態,風俗,人物画などを描く。彼の画法は,シーボルトの著作『日本』『日本植物誌』『日本動物誌』などに散見するが,写実的で正確な筆致の描写がうかがわれる。一時ジャワに渡りバタビアで結婚する。天保8(1837)年まで出島に滞在し,商館長次席を勤めた。のちメーステル・コルネリース(蘭領東インド)で没した。<参考文献>シーボルト記念館編『鳴滝紀要』創刊号
(石山禎一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報