世界の観光地名がわかる事典 「フォンテンブロー城」の解説 フォンテンブローじょう【フォンテンブロー城】 フランスの首都パリ郊外の都市フォンテンブロー(Fontainebleau)にある宮殿。パリのリヨン駅から電車で45分ほどのフォンテンブローアヴォン(Fontainebleau Avon)駅から約7km、バスで15分ほどの場所にある。フランス国内では、最も規模の大きな宮殿である。パリ郊外のフォンテンブローの森は、古くからフランスの王族の狩猟場となってきた。この宮殿は、もとは12世紀につくられた小さな狩猟小屋だったと考えられているが、16世紀初めに、フランソワ1世(1494~1547年)が大規模な改築を行い、現在の宮殿の基本構造が出来上がった。以来、この宮殿はアンリ4世、ルイ14世、ナポレオン1世ら歴代の王・皇帝により増改築が繰り返され、18世紀末には今日の宮殿ができあがった。彫刻、金工、絵画、漆喰(しっくい)、木工を組み合わせた豪華絢爛な室内装飾は、イタリアのマニエリスム様式を導入し、フランス独自の発展をとげたフランスルネサンス様式の結実とされ、フォンテンブロー様式とも呼ばれている。城内にはフランソワ1世の回廊、舞踏会の広間、ディアナの回廊、絵皿の回廊などのほか、ナポレオン1世ゆかりの玉座の間や退位の間など見どころが多い。また、ルイ15世の翼館に併設されたナポレオン1世博物館や、1980年代にオープンしたフォンテンブロー城美術館がある。◇世界遺産に登録されている。 出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報