フラカストロ(その他表記)Girolamo Fracastoro

改訂新版 世界大百科事典 「フラカストロ」の意味・わかりやすい解説

フラカストロ
Girolamo Fracastoro
生没年:1478ころ-1553

ルネサンス期イタリア医学者。パドバ文学哲学,数学,天文学,医学を学んだ。経験を重んじて自然の自律的な原理を求め,例えば伝染病を感染方法((1)接触,(2)服などの近接物,(3)種子的な遠隔物)によって分類し,占星術的解釈を排したことは注目される。梅毒論の著者として特に有名で,当時猛威をふるっていた梅毒を現在もシフィリスsyphilisと呼ぶのは,《シフィリス,またはフランス病》(1531)というギリシアの美少年の名にちなんだ彼の著作名から来ている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラカストロ」の意味・わかりやすい解説

フラカストロ
ふらかすとろ
Girolamo Fracastoro
(1478―1553)

イタリアの医者、詩人であり、諸学に通じた人文学者。スカリジェルやコペルニクスらと交わり、パウルス3世侍医としてトレント公会議に参加した。詩論『ナウゲリウスあるいは詩についての対話Naugerius sive de Poetica dialogus(1555)において、詩人が模倣するのは事象ではなく理念であると説き、アリストテレス模倣説プラトン美学とを調和させた。

[浜下昌宏]

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