日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランチア」の意味・わかりやすい解説
フランチア
ふらんちあ
Francia
(1450ころ―1517)
イタリアの画家兼金属細工師。本名Francesco di Marco di Giacomo Raibolini。北イタリアのボローニャに生まれ、同地で没した。美術家としての出発は金属細工師であったといわれ、ごく少数の作品がボローニャ市立美術館に現存するが、その経歴はほとんど未詳である。画家としての制作活動は1486年ごろから始まるが、その動機はボローニャ滞在中のフェッラーラの画家ロレンツォ・コスタLorenzo Costa(1460―1535)との接触にあったとされている。さらにラファエッロの影響も受けたようで、『聖母子と諸聖者』(ボローニャ国立絵画館)、『聖女チェチーリアの生涯』(ボローニャ、サン・ジャーコモ聖堂)にみる均整のとれた人体やリズミカルな身ぶりにそれをうかがわせる。
[濱谷勝也]