日本大百科全書(ニッポニカ) 「東栄」の意味・わかりやすい解説
東栄(町)
とうえい
愛知県東部、北設楽郡(きたしたらぐん)にある町。1955年(昭和30)本郷(ほんごう)町と下川(しもかわ)、御殿(みどの)、園(その)の3村が合併改称。JR飯田線(いいだせん)、国道151号、473号が通じ、大千瀬(おおちせ)川(振草(ふりくさ)川)が貫流する。豊橋(とよはし)―飯田を結ぶ別所街道(国道151号)の宿場だった本郷が中心地区で、文教施設が集中している。町面積の90%以上が山林で、林業が盛んであったが、養鶏と茶の栽培へ転換した。シイタケ、ヤマゴボウなどが特産。民俗芸能「花祭」は、11月から3月にかけて町内11か所で舞われ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。中世の山城(やまじろ)設楽城跡は県史跡。総合文化センターにある博物館と民芸館は御園(みその)の宿泊型天体観望施設森林体験交流センター(スターフォーレスト御園)とともに異色ある山村文化施設である。町内に大入(おおにゅう)渓谷、とうえい温泉があり、振草渓谷は県立自然公園。面積123.38平方キロメートル、人口2942(2020)。
[伊藤郷平]
『『東栄町誌』全4巻(2001~ ・東栄町)』