フランドラン(その他表記)Flandrin, Hippolyte

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランドラン」の意味・わかりやすい解説

フランドラン
Flandrin, Hippolyte

[生]1809.3.23. リヨン
[没]1864.3.21. ローマ
フランスの画家ミニアチュール画家の子で,兄オーギュスト (1804~42) も画家でリヨン大学教授。弟ジャン・ポール (11~1902) は風景画家。 1829年に弟とともにパリに出て J.アングル師事し,32年にローマ大賞を得て 38年までローマに滞在,F.アンジェリコの影響を受け宗教画を多く制作。フランスに戻ってからはアカデミーの教授となり,D.ロセッティらイギリスのラファエル前派にも影響を与えた。 63年にローマに行き,同地で天然痘のため死亡。主要作品はパリのサン・ジェルマン・デ・プレ,サン・セルベ,サン・バンサン・ド・ポールなど各聖堂の壁画

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランドラン」の意味・わかりやすい解説

フランドラン
ふらんどらん
Hippolyte Flandrin
(1809―1864)

フランスの画家。リヨン生まれ。1829年パリに出て、当時ロマン派のドラクロワと対抗していた古典主義のアングルに師事。32年にローマ賞を得て、38年までイタリアに留学。帰国後、パリのサン・ジェルマン・デ・プレ聖堂や、サン・バンサン・ド・ポール聖堂の壁画をはじめ、各地の城館の装飾画のほか、『ナポレオン3世』(ベルサイユ宮殿)などの肖像画を制作した。堅実で古典的な作風。ローマに没した。弟のポールPaul-Jean F.(1811―1902)もアングルに学び、兄と行動をともにしている。

[染谷 滋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android