フリースタイルスキー(読み)ふりーすたいるすきー(その他表記)freestyle ski

デジタル大辞泉 「フリースタイルスキー」の意味・読み・例文・類語

フリースタイル‐スキー(freestyle ski)

スキー競技の一。ジャンプ宙返りなどの曲技的な演技競走を行い、その技術・華麗さや速さを競うもの。冬季オリンピックでは、モーグルエアリアルスキークロスハーフパイプスロープスタイルなどの種目がある。

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知恵蔵 「フリースタイルスキー」の解説

フリースタイルスキー

滑走空中演技などさまざまな要素を組み合わせたスキー競技の一種で、統括団体はFIS(国際スキー連盟)。種目としてはモーグル、エアリアル、スキークロス、ハーフパイプ、アクロがある。1960年代に既存のアルペンスキー競技とは異なる多様な滑り方が生まれ、79年にフリースタイルスキーとしてFISの公認競技となり、80年に第1回ワールドカップ、86年に第1回世界選手権大会が開催された。
モーグルは、人工的に造られたコブと2つのジャンプ台のある急斜面を使い、ターン技術、エアと呼ばれる空中演技、滑走タイムを総合的に評価した合計得点で順位を競う。2人が対戦方式で滑り、トーナメント方式で行うデュアルモーグルもある。もともとモーグルは世界選手権レイクプラシッド大会(91年)まで決勝のみデュアル形式で行われていた。モーグルとデュアルモーグルが独立した種目として世界選手権に採用されたのはマイリンゲン大会(99年)から。
エアリアルは、ストックを持たずに助走路を滑走し、キッカーと呼ばれる大きなジャンプ台から飛び上がって空中演技の難易度、完成度を競う。
ハーフパイプは、円筒を長軸方向に半分にしたようなU字型のコースを、左右に往復しながら滑り、両側の壁の頂上付近で空中に飛び出して空中演技を行う。
スキークロスは、旗門カーブ、うねり、ジャンプなどが設けられた全長約1kmのコースを複数の選手が同時にスタートして滑り、順位を競う。
アクロはもともとバレエスキーと呼ばれており、フィギュアスケートのように音楽に合わせて滑走しながらジャンプやストックを使った回転などを行い、技術や芸術性を採点によって競う種目。2000年のワールドカップ以降はFISフリースタイル種目から除外されている。
フリースタイル競技のうち、10年バンクーバー五輪の公式種目は、モーグル、エアリアル、スキークロス。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2010年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリースタイルスキー」の意味・わかりやすい解説

フリースタイルスキー
freestyle skiing

ジャンプや宙返りなどのアクロバティックな演技を交えながら滑降するスキー競技の総称。 1980年国際スキー連盟 FISによって承認され,1992年のアルベールビル・オリンピック冬季競技大会からモーグルが,1994年のリレハンメル・オリンピック冬季競技大会からエアリアルが正式競技および種目となった。モーグルは深い溝やこぶが並んだ急斜面を滑降し,スピード,ターンの技術,エアと呼ばれる空中演技2回を採点して合計点を競う。 1998年の長野オリンピック冬季競技大会では,モーグルの里谷多英が日本人女子として冬季オリンピック初優勝を飾った。エアリアルはかつてアクロバットスキーと呼ばれ,特設されたジャンプ台 (キッカー) から飛び出し,空中で宙返りやひねりなどの大技を2回行ない,踏み切り,距離,高さ,姿勢,着地を採点して競う。音楽に合わせて演技を行なうアクロ (バレエ) も種目の一つだったが,2001年までに世界選手権大会から姿を消した。代わりに,小さなジャンプ台や連続するこぶの斜面,カーブなどで設定された約 1000mのコースを複数で同時に滑り,着順を争うスキークロスなどが加わった。ほかにデュアルモーグル,ハーフパイプなどが含まれる。

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百科事典マイペディア 「フリースタイルスキー」の意味・わかりやすい解説

フリースタイルスキー

スキー競技の一種。人工的なゲレンデやジャンプ台を利用して競技者が自由自在に,独創的な滑りやジャンプを演技するもの。種目はエアリアル,モーグル,スキークロス,ハーフパイプ,スロープスタイル,アクロがある。1960年代にアメリカの若者たちの間で流行し,初めは,アクロバット・スキー,あるいはホットドッグ・スキーと呼ばれていたが,1970年代にフリースタイル・スキーに統一された。オリンピック種目としてはエアリアル,モーグルと,2010年のバンクーバーオリンピックからスキークロスが,2014年ソチオリンピックからハーフパイプとスロープスタイルが正式種目となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリースタイルスキー」の意味・わかりやすい解説

フリースタイルスキー
ふりーすたいるすきー

スキー競技

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