フローチャート(英語表記)flow chart

翻訳|flow chart

デジタル大辞泉 「フローチャート」の意味・読み・例文・類語

フロー‐チャート(flow chart)

作業や処理の手順を図式化したもの。コンピュータープログラムの設計では、所定の記号を用いて表す。作業工程経路図。流れ図フローシート
[類語]フローシート・流れ線図・流れ図

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精選版 日本国語大辞典 「フローチャート」の意味・読み・例文・類語

フロー‐チャート

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] flow chart ) 作業の手順を図式化したもの。作業の各段階を書き込んだ四角形や円などを線でつないで作る。流れ図。フローシート。
    1. [初出の実例]「電子計算機のフローチャートを引く指に」(出典:時間(1969)〈黒井千次〉五)

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改訂新版 世界大百科事典 「フローチャート」の意味・わかりやすい解説

フローチャート
flow chart

流れ図ともいう。作業の工程や処理の手順を図化したもの。コンピューターのプログラムや作業管理のための作業工程図operation process chart,流れ工程図flow process chart,流れ線図flow diagramなど種々のものを意味するが,ここではコンピューターのフローチャートについて解説する。コンピューターのプログラムはプログラム命令語の一連の集りで記述される。プログラム命令語は順次に実行されるのが原則であるが,プログラムの流れを制御する条件文,無条件飛び越し,副プログラムなどの場合には,プログラムの実行位置を追跡しにくくなる。

 フローチャートはプログラムの流れを平面的広がりのある図にすることによって,プログラムの設計を容易にし,またプログラムの説明をわかりやすくする手段である。

 フローチャートの記法はJISに定められており,図1にその一部を示した基本的ブロックをならべ,このブロック中にその操作の中身を書くことによってプログラムを表す。たとえば判断ブロックを用い,もし条件Aが成立すれば処理Bを実行し,成立しなければ処理Cを実行するときのフローチャートは図2のようになる。

 フローチャートによるプログラムの設計では,まず全体の流れを示す概略フローチャートを作り,さらにその詳細をプログラム言語の1文に対応する細かさで表す詳細フローチャートが作られ,これからプログラムのコーディングが行われる。一般にフローチャートの記述力は高く,多様なプログラムを表現することができるから,逆にフローチャートを用いて作られたプログラムはプログラムそのものとしてはわかりにくくなりがちであることが指摘されている。このためフローチャートの書き方に制約を加え,フローチャートを規格化することによって,プログラムの形に規範を与えようとする考え方もある。またフローチャートを使わないでプログラムを書くこともプログラムそのものを読みやすくする手段として推奨されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フローチャート」の意味・わかりやすい解説

フロー・チャート
ふろーちゃーと
flow chart

アルゴリズム(計算の手順、算法)を図で表したもの。流れ図ともいう。のような記号を用い、計算の順序に従って線で結ぶ。アルゴリズムは、繰り返しがあったり、条件によって別々のことを行ったりするので、文章やプログラムだけで記録するには複雑すぎて理解しにくいことが多々ある。これをフロー・チャートで表しておけば、一目でその全貌(ぜんぼう)がわかる。FORTRAN(フォートラン)やアセンブリ言語でプログラムをつくるときは、まずフロー・チャートを書き、それに従ってプログラムを書き、プログラムとフロー・チャートの両方を見ながらデバッグ(誤りの修正)をするのがよい。

 プログラム言語によっては、フロー・チャートが書きにくかったり(関数型のLISP(リスプ)や述語論理ベースとしたPROLOG(プロローグ)のプログラム)、フロー・チャート的な考えでプログラムをつくることを奨励しない言語(goto(ゴーツー)を使わないことを原則としている言語)もあるが、FORTRAN、COBOL(コボル)、BASIC(ベーシック)などの伝統的なプログラム言語でプログラムをつくるときは、フロー・チャートの助けを借りることが多い。

[中西正和]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フローチャート」の意味・わかりやすい解説

フローチャート
flowchart

流れ図。コンピュータのプログラムを書くときは,まず問題を分析して答を求めるための一連の手順 (アルゴリズム) を明確にし,次にこれを決められた記号を用いて図式的に表現する。それをフローチャートという。これには精粗さまざまなレベルがあるが,最終的にはできるだけ詳しいフローチャートを書き,それからほとんど一対一にプログラムが書けるようなものを作る。こうすることによりプログラムのための能率が上がり,誤りが少く,またドキュメンテーション保持のために役立つ。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「フローチャート」の解説

フローチャート

データの流れや問題解決の手順を表す図式。流れ図とも呼ばれる。プログラムの設計や、業務の流れなどを図示する場合に利用される。複雑なプログラムや業務の工程を作成するときは、どの順番でどんな処理をするのかを明確にする必要がある。フローチャートを作成することで情報の流れを視覚化し、整理・把握しやすくできる。フローチャートでは、基本となる処理を長方形、条件分岐する処理は菱形など、特別な処理を意味する記号を組み合わせて表現する。どの処理に対してどの記号を使うかはJIS規格に定められている。

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流通用語辞典 「フローチャート」の解説

フローチャート【flow chart】

複雑なプログラムを書くとき、混乱が起きないように処理の手順を図解したもの。流れ図ともいう。フローチャートに使う記号は日本工業規格で決められている。たとえばスタートとエンドは長円形、処理は長方形、流れが杖分かれする所にはひし形を使う。フローチャートを描くと、作業手順が整理され、考えをまとめるのに役立つ。そのため、プログラムの開発用だけではなく、一般の作業管理とか、新製品開発のための流れ図を描く、といった応用もされている。

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IT用語がわかる辞典 「フローチャート」の解説

フローチャート【flow chart】

効率的に問題を解いたり、課題を解決したりするための処理手順を図式化したもの。コンピューター科学の分野では、アルゴリズムプログラムの設計・作成に使われる。◇「流れ図」ともいう。

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百科事典マイペディア 「フローチャート」の意味・わかりやすい解説

フローチャート

流れ図とも。作業の工程や処理の手順を図化したもの。図形ごとに処理内容を示すことが多い。コンピューターのプログラムや作業管理のための作業工程図,流れ工程図,流れ線図など種々のものを意味する。

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世界大百科事典(旧版)内のフローチャートの言及

【プログラミング】より

…プログラム中の分岐命令(goto文あるいはjump文)がスパゲッティ構造の原因であることが判明し,ダイクストラE.W.Dijkstraたちはgotoレスのプログラムを書くことを提唱した。特に,流れ図(フローチャート)を用いて設計したプログラムには分岐命令が増える傾向があることもわかった。そのことがきっかけで,プログラム構造を,連接(複数要素を順番に並べること),選択(複数要素の中から条件に応じてひとつの要素を選ぶこと),反復(ある条件を満たすまで繰り返すこと)の3種類の基本構造の組合せで構成していく手法が確立した。…

※「フローチャート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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