翻訳|prologue
劇の本体の前に語られる短いせりふ。前口上,序詞。古代ギリシア劇において,コロスの最初の登場に先立つ部分を指したプロロゴスprologosという言葉を語源とする。その後,劇の本体とは切り離されて,劇の内容を予告したり,劇の理解について必要な情報を観客に提供したり,劇のできばえについて弁解したり,作者の主張を代弁したりするせりふをプロローグと呼ぶようになった。イギリスではエリザベス朝以来よく用いられ,とくに王政復古期の劇では,劇の完結後に語られるエピローグと対をなして現れるのが普通であった。出演俳優が俳優自身として語る場合,登場人物として語る場合のほか,シェークスピアの《ロミオとジュリエット》のようにとくに指定されない語り手が語る場合もある。ときには複数の人物の対話からなり,それ自体一編の戯曲に近づいている。劇だけでなくオペラにおいても用いられることがあり,ほかに,長編詩などの前置きの部分,論文などの序文,音楽における序奏的性格の冒頭楽章や楽曲冒頭部についても,プロローグという言葉は用いられる。
→序詞
執筆者:喜志 哲雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「序詞」「序幕」「前口上」などと訳される。劇の開幕に先だって口上役が登場して、当時の政治や社会への批評を絡ませたりしながら劇の大筋を説明する場合と、短い一場面を設けて、これから始まる劇の内容を暗示する場合の二つの形がある。紀元前4世紀のエウリピデスに始まるとされるが、一般化するのはルネサンス期で、エリザベス朝時代はコーラスの名でよばれた。とくに王政復古期から18世紀にかけてヨーロッパ各国の演劇で盛んに用いられた。また、オペラ、バレエ、音楽の独立した序の部分や、詩、小説の冒頭部分をもさし、物事の始まりや発端を示す一般用語としても使用される。エピローグの対(つい)の用語。
[高師昭南]
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…しかし,一般的な論理表現に対しては効率のよいものがない。扱う論理式の範囲をホーンHorn節に限り効率的な処理系を実現したのが,第5世代計算機で注目されたプロローグProlog言語である。
※「プロローグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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