FORTRAN(読み)フォートラン

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改訂新版 世界大百科事典 「FORTRAN」の意味・わかりやすい解説

FORTRAN (フォートラン)

プログラミング言語の一つ。formula translatorの略。1950年代のコンピューターのプログラムのほとんどは機械命令語に近い形のアセンブリー言語で書いてあったが,これはあまりにも低レベルで,プログラムを書くのも読むのも不便であった。当時は数値計算が主要な使用目的であったから,プログラムを数式と補助命令で表現し,それをコンピューター自身でコンピューターの命令列に変換させる方法,数式プログラミング各地で研究開発されていた。その一つがIBM704計算機のためのフォートランで1959年ころ完成した。その後IBM704以外のコンピューターのためにもフォートランのコンパイラーが作られ,ほとんどのコンピューターでフォートランが使えるようになった。またフォートランの文法自体も何度か改訂され,今ではフォートラン77が一般的に使われている。
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百科事典マイペディア 「FORTRAN」の意味・わかりやすい解説

FORTRAN【フォートラン】

formula translatorの略。科学計算用に開発されたコンピューターの自動プログラミング方式の一種大型コンピューターではCOBOL同様,主流となっている。米国のIBMが1956年にIBM70シリーズ用に開発したのが最初。その後数多くの改良が加えられている。命令を数式と補助命令で記述するため,複雑な科学計算式のプログラミングが容易。→高水準言語
→関連項目ALGOLプログラム言語

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世界大百科事典(旧版)内のFORTRANの言及

【プログラミング言語】より

… 両者のうち,より古くからあるのが手続き型procedural言語ないし命令型imperative言語であり,変数と呼ばれる名前のついた記憶領域に次々と値を格納していく(それ以前に格納されていた値は失われる)ことを基本動作として計算が進行していく実行モデルをもつ。 初期の手続き型言語としては,科学技術計算むけのFortran,Algol,事務処理むけのCobolが挙げられる。そのほか,システム記述むけの手続き型言語であるBlissやC,教育むけのPascalなどが作られた。…

※「FORTRAN」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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