ブラック・ナショナリズム(その他表記)black nationalism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ブラック・ナショナリズム
black nationalism

アメリカの急進的な黒人解放運動公民権運動人種差別制度廃止黒人白人社会への同化による人種的統合を目的としているのに対し,黒人の自決権を要求して黒白分離を主張,黒人自身の社会の建設を目標にしている。早くからブラック・ムスリム (黒人イスラム教徒) の活動にそうした傾向がうかがわれたが,1960年代後半から 70年代前半にかけて黒人運動が急進化するなかで,黒人の権力機構の樹立を主張するブラック・パワーの活動にその影響力が認められた。

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関連語 パワー

山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

ブラック・ナショナリズム
Black Nationalism

黒人の民族的誇りと優越性を強調し,白人とは社会的・文化的に距離を置こうとするアメリカ黒人の立場。代表的な例は,1910年代後半のガーヴェイによるアフリカ帰還運動。公民権運動でのブラック・パワーの主張,現在では,白人文明を否定するアフリカ中心主義という過激なイデオロギーもある。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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