日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブレーキストン」の意味・わかりやすい解説
ブレーキストン
ぶれーきすとん
Thomas Wright Blakiston
(1832―1891)
イギリスの軍人、実業家、動物学者。ブラキストンともよばれる。リミントン生まれ。陸軍士官学校を卒業して軍務につき、クリミア戦争に従軍。ロッキー山脈、揚子江(ようすこう)上流の探検に参加したのち、1862年(文久2)シベリアを経て北海道、箱館(はこだて)にくる。製材業、貿易商などを営む一方、北海道全域、択捉(えとろふ)島、小笠原(おがさわら)諸島などを探査し、鳥類を採集した。1884年(明治17)帰国、その後アメリカに渡って余生を送った。1883年、津軽海峡に動物分布上の境界線があり、その原因が過去の氷期にあるという見解を発表、これはお雇い外国人教師ミルンの提唱により「ブレーキストン線」とよばれる。
[内田 謙]